ギレルモ監督がアカデミー賞だなんて似合わないと思いつつ鑑賞。
オープニングから素晴らしくて思わず見入った。世界観も独特で、影の表現が不気味な感じ。時代設定も米ソ冷戦時代なところがミソだろう。途中のミュージカルさえなければもう少し評価を上げたと思う。
さて本作を見て、クローネンバーグ監督の「ザ・フライ」を思い出した。
映像の質感、色調、ダークなSF、エロ、グロとクセのある登場人物たちは相似関係にあるような映画だ。個人的には映画らしい映画だと思う。
クローネンバーグはあれから倒錯世界へと行ってしまった印象があるが、ギレルモ監督にはオタク方面へぶっちぎっていってもらいたいものだ。
ちなみに、アカデミー賞なんて取ってしまったものだから家族で見に行ってしまったが、これが良くなかった。
我が家では一緒に見に行った奥さんと子どもが、気分が悪いと言って寝こんでしまったのだ。こうした路線の映画には免疫が必要なのだろう。刺激が強すぎたようだ。