まよ

シェイプ・オブ・ウォーターのまよのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ティールはまとも、レッドはまともじゃない
研究所は緑で包まれていて、黒人をゲイであるジェイルズを否定する彼は緑の甘いパイを好んで、赤のゼリーは緑に変えられる
まともに囚われたストリックランドはティールの車を購入するがイライザは、魚人と出会い赤い小物を増やしていく

「彼を見捨てたら、私たちは人間じゃない」

あの時代、障害者は、黒人は、同性愛者は、外国人は“人間”として扱われていたのか
誰も彼もが水のように正しい形などないはずなのに、“まとも”な形を無理矢理作ってそれが正しいと言ってのける
言葉を矯正されたパイ屋の彼も、温かい家庭を持ち成功したが歪んだ性癖を持つストリックランドも無意識の中の被害者と言える

最後のイライザと彼のシーンはジェイルズの願望なのだろうか
でも、この話の結末が、誰よりも虐げられてきたのにも関わらず人間であろうとしたイライザ達が幸せにならないなんてあまりにも酷すぎる
今までの常識に囚われない神秘的で、素敵な恋の物語だった
まよ

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