音楽やセットから、60年代っぽさが溢れ出しているのが最高。あのレトロな感じは好き。
ただし、見終わった時に最初に思ったのは、「あれ、これってアカデミー賞とったやつだよね?」だった。
主人公に障害があって、親友が黒人女性で、同居人が同性愛者。敵国であるロシアのスパイが協力者。
確かにこれはなかなか今までの映画にないダイバーシティの表現かもしれない。
でも、差別や偏見にまつわるメッセージ性ならズートピアのほうが上だと思う。
個人的には異種族との恋というテーマは好きだが、この映画の彼はちょっと着ぐるみ感が拭えなかった。特に終盤のダンスシーンは着ぐるみ。
ストーリーの本流は良いと思うし、特にラストシーンの美しさは素晴らしいが、細かい部分で突っ込みどころが多く、なかなか集中できなかった。
国家機密の割にセキュリティが、とか。ソ連はむしろアマゾンに行けばあと何体か捕獲できるんじゃないか、とか。
終盤、追いつめられたゼルダのシーンの緊迫感がすごくて、思わず感情移入。ダメ夫め!って本気で思った。あの演技はすごい。
全体的にいい映画だと思うが、アカデミー賞受賞のせいで私の評価は厳しめ。期待が高すぎた。