よも

オー・ルーシー!のよものレビュー・感想・評価

オー・ルーシー!(2017年製作の映画)
3.9
めっちゃストレスフルな映画。俳優陣は、よくぞここまでギスギス演じ切って見せてくれました…!という、見事な演技でした。
「カッとして全てを台無しにしてしまう」というシーンの連続で、見ていて本当にしんどかった。
私たち普通の人間だって、そこそこ生きていれば、ときどき傷ついたり、疲れて病んだりもする。そのたびに、少しずつ傷を癒したりだとか、休んだりだとかしながら、なんとか生きていくものだけど、例えば大きな穴が空いてしまうくらいに、その人のどこかの部分が大きく損なわれてしまった場合、もうその穴は二度と塞がらないんじゃないかな。もう穴とともに生きていくしか出来ないんじゃないかしら、と思いながら見ました。
節子は、姉にボーイフレンドを奪われた時から、もうそういう穴が空いてしまってたんじゃないかなあ。「ルーシー」のカツラをかぶる事が、ちょっと別の人格になって自分を解放する…というようなことなんだとしたら、節子にとっては、ずっと抱えたまま蓋をしていたはずの穴が、また大きく開いてしまうという儀式だったのかもしれない。
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