たか

シャンハイのたかのレビュー・感想・評価

シャンハイ(2010年製作の映画)
2.0
 渡辺謙も出るメジャー作品と言う事で、観に行かずにはいられない作品です。
 あの時代あの地の複雑さは、何となくわかる気がしますが、一言で言えば、騙し合いのコミュニティです。幸せそうな人が誰もいず、観ているだけで人間不信に陥りそうです。
 そして、アメリカ人が主役の上海ストーリー、日本に気を使ってか?渡辺謙に気を使ってか?日本の描き方が微妙です。また、戦争と恋愛の絡み方が、どこかシックリ来ず、全く感情移入できませんでした。渡辺謙、「硫黄島からの手紙」での志や器の大きさと打って変わって、どこか小さく映ってしまいました。
 この不穏な雰囲気も、最近どうも苦手になってしまったようで、的確なサスペンス批評はできてないかもしれません。ただこの作品は、(戦争を後世に伝える意図を持った)戦争映画とは言い難く、戦争を利用したサスペンス作品と感じます。
 もちろん良い所もありました。個々の演技や、上海の情景など、それは全てストーリーから外れた面ではあります。
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