ぺんちゃん

あゝ、荒野 後篇のぺんちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

菅田将暉VS山田裕貴は見応えあった。長尺だけど、本当の試合のようで目が離せなかった。
そのあと少しダレたというか、なんでバリカンが移籍したのかもっと見たかった。彼の考えを、心を聞きたかった。寺山作品に出てくる吃りの青年は絶対なにか抱えてるんだから。
ユウジ戦の後、女性関係のシーンが続いて、みんな脱いでたけど(綺麗で見応えあったけど)、脱がなくても良かったし、もっとバリカンの心に焦点当てたシーンの方がラストに繋がったんじゃないかなと思う。
バリカン健二が何を恐れ、何を憎み、何を愛してリングに立ったのか。ラストがバリカン戦ならそこを描くべきだし、新宿新次物語ならユウジ戦で終わりでよかった。
健二はずっと勝てなそうだったから。勝てなそうな人が勝てなかった試合になってしまったのが勿体ないような気がした。

「人間は不完全な死体として生まれ、一生をかけて完全な死体となる」
「振り向くな振り向くな後ろには夢がない」
介護施設の社長の宮本(?)が、寺山修司の名言をやたら差し込んでくるけど、本当に差し込んだ感じで違和感。

「社会奉仕プログラム」は?
自殺防止サークルの話はどうなったの?
芳子は母親と再会できてない(気づいてもいない)芳子母は片目と付き合ってるから試合見に来たの?なんで悲しそうな顔してるの?
など、こんなに長かったのに疑問が残る…

気迫は伝わってきた。熱量も。でも、寺山作品ではないような気がしてしまった。
「希望」という名の病気をラストで見せて欲しかった。
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