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アナと雪の女王2のJIZEのレビュー・感想・評価

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)
3.7
アナとエルサが"真実の愛"でアレンデール王国の平和を取り戻した三年後を舞台に不思議な歌声に導かれて王国を旅立つ幾多の試練が描かれるディズニー長編アニメ映画‼︎2D吹替で鑑賞。まずレリゴー旋風で社会現象と化した前作『アナと雪の女王(2014年)』より混沌と化す実像的かつダークな作風で、"触れたものすべてを凍らせる"エルサのチカラを主軸に深淵なるアナとエルサのキズナが続編でも勇猛果敢に試される。おもに滝壺に落ちたり、荒れ狂う海へ飛び込んだりとスケール自体は前回より数段アップデートされた印象をうける。またオラフやクリストフ等などの主要キャラの面々も前回の延長線上にあたる関係性から楽しめる要素になっているだろう。端的にオリジン的な方向性で、エルサのチカラの秘密を解き明かすプロトコルは前日譚のようでもあった。いわゆるラスボス的な戦闘戦の山場や、何か前作より独創的に飛躍してる物語でもないのは良くも悪くも本作の評価すべき総点に思える。というか今回でもやはりエルサが中盤以降グイグイ一人で問題を解決しようと独走するため、前作の内容との酷似感をよぎらせなくもない。何か姉妹二人で競合して敵をやっつけるようなカタルシスは続編でも不在だったか。。冬を意識させる音楽や主要キャラのわちゃわちゃ感、アレンデール王国のウットリする造形美など細部の丹念な調整は目を見張る出来映えだったが、前のめりで観れないプロットの食い足り無さはぶっちゃけかなりある。突き詰めればアナ雪の世界観に歴史を掘り返すような小難しい歴史事情は正直必要だったか。。また今回オラフが全シーンの笑いどころをかっさらう半狂乱的な登場も御構い無しに攻めていて健在である。ゆいいつイディナ・メンゼルが歌唱する「イントゥ・ジ・アンノウン」がは壮大な本作の冒険背景とも文句無しに併さり良かった。試練を経た堂々たる活躍の果てにいちおうの完結を終幕では魅せたが、短編ありきでまたエルサとアナたちに会いたくなる物哀しい余韻を最後には残す。二部完結編としてお勧めします。
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