綺麗な作品でした。
きちんと一作目からの続編になっているというか、2のあとにもう一度1を観ると色々と感慨深いはず。エルサやアナ、王国やその土地のストーリーをうまく掘り下げて繋げてある。おぉ…なるほどそう来るのか…みたいな。唐突な設定感は否めなくもないけど、のっけから「こういうテイで行くよ!」が出力全開なのでなんかねじ伏せられました。
全体的に"みんなたちが観たいアナ雪"的であざといところはあります。キャラを出すための尺が多いなと感じたのと、とにかく顔が多かった印象…だけど、人気に媚びずに攻めたところもあって、その詰め込み感に「多くの人に作品が響いて欲しい」という熱意を感じた…
「希望はある!それは愛!」への着地はベタなんだけど、それまでの過程が思いのほか複雑。
一作目が自己抑圧と孤独からの解放を姉妹の立場と環境それぞれからアプローチしたものだとすれば、今作ではそれを踏まえての喪失と自己発見と復興を描いていたかなと思う。
1があっての2の流れなのだけど、こういうテーマが刺さるのはそれなりに酸いも甘いも経てきた『大人』だし、戦争や災害や死と隣り合わせにありながら享受している「ありきたりだけれど幸せな日々」とどう付き合っていけば良いのか?という『生活者』の話でもあった。子供向けオンリーでは決してなかった。
人の強さが完璧なものではないことや「僕らは誰でもいつか死ぬ」をファンタジーの世界でも前提とし、「ハッピーエンド」に様々な選択肢を持たせておきながら尚且つ「ぼくハッピーエンド大好き!」にしてしまうディズニーは流石だし、ほんとうにつよい。
いやでもねほんとに、色々語っちゃったけどとにかくアニメーションを観て欲しい。凄いから(結局そこ)。
氷や水の描写が幻想的でダイナミックなのに、常に温かさや優しさがスクリーン全体から溢れ出ていた。それが愛なんだよ愛。
そもそも、この作品に対して多くの愛を感じたよ。エンドクレジット相変わらず大量だよ。
撮影もライティングも凄いんだけど、特に今回やばいと思ったのは衣装デザインとその質感。テクスチャ。知ってたけどディズニーのアニメスタジオはディテールの描き方えぐい!画面の中のものを触りたくなる!!
劇伴もなかなか良かったです。「Let It Go」は初見のインパクト凄かったけど、「Into The Unknown」もスルメ曲で良いです。ていうか、劇中の映像がつくと好きになるよこれは。
はあー美しかった…観て良かったです。ありがとうございました。