全てのカットが目に良い。目薬。
最近は情緒に火炎瓶を投げてくるようなビッグタイトルの作品ばっかり観て盛り上がってたけど、結局ウェス・アンダーソンに落ち着く。
暖炉で毛布にくるまりながら、おいしくて甘い紅茶とクッキーを食べるあたたかさ。
雑誌の記事、を書く記者、が語るその記事、を編むビル・マーレイ…という作りだった感じ。
カラーの使い方が独特だった。よかった。
ロマンチック、ドラマチック、メランコリック、ミザリー…人間の悲喜交交をほんの少しのシーンだけで描いて、後に残さないのよね。取り落としそうになるほんの些細なことのなかに愛も物語もある。
しかもそれは、悲しいことは悲しい顔、嬉しいことは嬉しい顔なんて全部わかりやすく置かれていたりはしない。
自分たちの世界もそうなんだ。
相変わらず、料理の隠し味的な感じでめちゃチョイ役に名優をじゃんじゃか使ってくるのはほんとにすごい。
名シェフが出てくるけど、そういうことなのかもしれん。
なんとこの高級食材を!このように!なるほど!美味なり!!!みたいな気持ちになる。
※2回目観たらスコアが0.5上がった。
情報量が整理されて繊細な部分に集中できるようになった。泣けてしょうがなかった。こうやってあとからあとから発見と感動があるのもウェス・アンダーソンならでは。