ヴぇる

ライオン・キングのヴぇるのレビュー・感想・評価

ライオン・キング(2019年製作の映画)
3.3
正直私は近年のDisneyの実写化は大反対でろくな作品がないと思っている。アラジンは駄作だったし美女と野獣は酷いものだった。
しかし今作のOPは素晴らしい程の技術とオリジナルへのカメラワーク等のリスペクト、そして美しいまでの映像美で心を鷲掴みにされた。

壮大で荘厳な雰囲気作りや奥行これらの作り込みは素晴らしくどこどこまでも広い荒野が広がっているように思う。
キャラクター自体に違和感もなく、実写化にはむしろこういうような人間のでない方が向いてるように思う。

ただ、不満なのは今作での最高傑作であったはずの『be prepared』の威力が全くなくスカーの悪役としての魅力やハイエナ達の一体感が感じられない所だ。ハッキリ言って時間が長すぎてカットされた様にすら思える程の物足りなさだ。ヴィランズが輝く程美しい物語になっている事をDisneyは忘れてしまったようだ。
加えて言えば今作のオリジナルソングビヨンセのスピリットは、味もなくただ場繋ぎ的な曲なだけで何の効果も持たない。無駄なだけだ。アラジンの新曲より抑え目なのでマシだが、実写化においてオリジナルソングは失敗続きだ。

総評としては、所々オリジナル版と比べてしまうところもあり、やはりオリジナルは偉大だったと思う箇所は様々あるが、今作は今作でいい味を出している。
実写化の作品でやっと作った意味を見いだせた作品ではないだろうか。悪くは無い出来だった。
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