月うさぎ

ボヘミアン・ラプソディの月うさぎのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.0
映画館で二回鑑賞。高校時代の女友達と一緒に
洋楽好きな少女でQUEENを知らないなんてあり得ないリアル世代です。
大胆な言い方をすれば、生意気な男のファンが多いZEP対ミーハーっ気のある女子ファンが多いQUEEN、という傾向で、人気は二分されていて、QUEENは「ロックの王道」では決してなかったのです。彼らがアメリカでヒットを飛ばしてからはなおさらです。
ロックはその後ハードロックからヘビメタへ、音楽の主流はイギリスからアメリカへ移ってしまいました。
だからこそ、ボヘミアンラプソディでQUEENが再評価される期待でファンが映画館に押しかけたのですよ。
えーえー、ファンは一時、肩身が狭かったんですから。
だから、俳優さん達がモノマネそっくりさんをやってくれただけでよかったんです。
ホントにそっくりに演じてくれていて嬉しい。特にジョンとブライアン。
多少のことには目を瞑ります。
ライブエイドのシーンのかっこよさと、音楽の素晴らしさでチャラです。

あまりにこの映画の評価が高くてビックリなので、少しケチをつけさせていただきます。
この映画って死人に口なしなんですか?
レミの出っ歯のつけ歯、フレディ、きっと気を悪くしますよ。
フレディの国籍問題とか同性愛とかエイズとか、彼は映画に取り上げて欲しいなんて思ってないのでは?
かなり秘密主義で死の寸前までエイズを公表しなかった人ですよ。

大体、フレディがスマイルに入ったエピソードから始まって、ほぼ嘘ですよね?
時系列も違ってます。ソロアルバムはフレディより先にロジャーが出しているし、フレディのソロが本人もガッカリな失敗作だったという扱いも気の毒です。
ソロにしてはそこそこ売れたし、何より、新恋人ができてハッピーで有頂天な頃なはずで、あんなにボロボロなわけがない。
ライブエイドの時は彼はまだエイズ感染を知りませんでした。
もちろん発症もしていませんよ。ワールドツアーの真っ最中で元気溌剌でした。
楽曲が全員のクレジットになったのもカインド・オブ・マジックの後からです。
フレディがバンドに戻りたいとメンバーに詫びを入れるなんて誰の創作なんですか?

頼みますから、このフィクションを、QUEENというバンドの真実とは信じないで下さい。よくできた「ドラマ」なんです。だって映画ですから!
「ソーシャル・ネットワーク」がマーク・ザッカーバーグの自伝では無いように。でも、あの映画のジェシー・アイゼンバーグは素晴らしいでしょう?

この映画で初めてQUEENを観た、という方に、
同時期のライブが映像作品になっていますので、是非観てください。本物のフレディを。
目力と血管切れるんじゃ…と心配になるくらいのパワーを込めた歌声は本人に勝るものなしですよ。
カメラワークは編集してるんだから映画の方がいいに決まってます。音もつぎはぎしたりいじってるからより完全でしょう。でもきっとライブ感が違うはず。

Queen Rock Montreal cinesound ver.
私は新宿バルト9で、ライブ上映した時に観に行ってます。
後ろからも歓声が聞こえたりしてライブ会場みたいで楽しかったなー♪
月うさぎ

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