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ボヘミアン・ラプソディのjyoのネタバレレビュー・内容・結末

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

『ボヘミアン・ラプソディ』は、イギリスの伝説的なロックバンド、クイーンのボーカルのフレディ・マーキュリーの半生を描いた作品である。

そのため、他のメンバーであるギターのブライアン・メイ、ドラムのロジャー・テイラー、ベースのジョン・ディーコンについてはあまり多くは語られない。フレディ・マーキュリーは、ゲイカルチャーやセクシャルマイノリティのアイコンであり、パイオニアとしての存在として広く知られており、映画でもその部分は多少なりとも反映されている。

1970年代はウィリアム・フリードキンの『真夜中のパーティー』やジョン・ウォーターズの『ピンク・フラミンゴ』などといった実はゲイを扱った映画がハリウッドの自主規制が解かれてから作られるようになり、徐々にではあるが市民権を獲得しとうとした動きは多少あったが、そのように男とも女とも取れないフレディのスタイルはまだまだ批判の対象となり、また前衛的が楽曲が多かった事から、アルバムはヒットしなかった。しかし、日本は真っ先にクイーンを受け入れ、その余波を受けて次第に彼らは頂点に立っていく。

映画の『ボヘミアン・ラプソディ』では、日本への敬愛の部分が省かれており、特に武道館ライブが削除されたのは日本のクイーンファンからは強い批判があってもおかしくない。また、先ほど述べたようにバイセクシャルとしてのフレディの描かれ方が薄く、彼がなぜライブであのような格好をしているのかという説明も弱いように感じた。

しかし、ラストのライブエイドの場面を見ると、そんな思いは消去される事だろう。まるで、スクリーンの中で本当にフレディたちが歌っているかのようであった。正直「どうせ偽物だろ?」とは思ったが、フレディを演じたラミ・レミックはその思いを忘れさせる演技を見せてくれた。
この映画は、クイーンのパラレルワールドとして思ってほしい。そして、最高の音響とスクリーンで観るべき映画だ!

因みに沖縄県では、凄音上映と呼ばれるライブ用のスピーカーを使い、本土で行われる爆音上映のようなもので上映されている。沖縄で『ボヘミアン・ラプソディ』を観るのであれば、凄音上映でなければダメだ!
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