喜怒哀楽の全てが詰まった作品。
南へと車を走らせる、記憶をなくしつつある夫とガンに侵されている妻。2人の旅は、風景よりも目的地よりも、ただただ2人一緒にいることに大きな意味があるように見える。お互いが人生の一部に溶け込んでいるのがよくわかった。
主演2人の、自然な掛け合いが素晴らしい。歳を重ねることや抗えない病気についても考えさせられる。
命の終わりは誰にでも訪れるけど、これほどの愛のようなものは得難いのではないかな。
アメリカで働く親切なシリア人から、イスラム教は出て行けと叫ぶ白人のデモ、夫の話を聞くウェイトレスの対比など、旅の中の背景として本当にさりげなく出て来るシーンもなかなか興味深かった。
