去年の映画の日に見た。映像の世紀みたく装置としてのシネマトグラフは解体せず、ただリュミエールがそれを向けた被写体の歴史を追っていく。
ワンカットと語り継がれている神話も実際には機能的な限界でしかなく、ショット概念も存在しない草創期の唯一にして絶対のルールは全景を捉えられる最適解へキャメラを置くこと。
映画制作において(その手順と同じく)モンタージュ以前に、何より効果的なアングルを把握することの重要性を19世紀末の時点で無意識的に説いたのがリュミエールであると再確認。
あと世界を捉えたシリーズで一本、シネマトグラフを気球に乗せたまま離陸すると次第に俯瞰ショットになっていく素晴らしい作品があって『イントレランス』の先駆だとも付け加えたい。