すごく爽やかなキャリー。
きちんとハッピーエンドのキャリー。
父と母に守られていた籠の鳥は、父を殺すこと母から解放されることで自立した一人の大人になっていく。
これはエディプスコンプレックスを経て、自我を確立していく課程の比喩なのだろうと感じた。
キャリーにおいてもテルマにおいても超能力の顕現は青春のリビドーの表れなのだと思うが、キャリーはそれが絶望からの破壊衝動へと向かったのに対し、テルマは最終的にはそのリビドーをコントロールして自我を構築したというのは大きな違いだなと思った。
映像の撮り方はものすごく綺麗。
ただ編集、カットのつなぎをスタイリッシュにしすぎているせいで、話と話のあいだがぶつ切りになっている気がしなくもない。
それがすこし残念。
あと目がやられる。