セルマ(原題)の作品情報・感想・評価

セルマ(原題)2017年製作の映画)

THELMA

上映日:2018年

製作国:

上映時間:116分

あらすじ

6歳までの記憶がない女子大生テルマの周囲でおこる怪奇現象。それは、両親が秘密にする彼女の過去に関係していた。‘2017年の最もエキサイティングなホラー’選出作!

「セルマ(原題)」に投稿された感想・評価

ILC

ILCの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

予告は最高にゾクゾクしたけど、観たら拍子抜けした。

終盤まで雑に言えばデスノートみたいな能力を持った少女の話だったんだけど、ラストで再生と予知能力も発揮してわけわからなくなった。能力設定がいまいちよく分からず、それこそスーパーナチュラルの一言で片付けることができちゃうから、理屈が欲しい人には向いてない

ヨアヒム・トリアーの作品に一貫してるのは映像が要所要所に良いのと毎回「孤独」を描いてること。今回も表面的にはオカルトな感じだけど、根本的な部分はいつも通り。

しかし、ラストのクララが立った的な展開は失笑ものだったな。
ロラン

ロランの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

2017年度一番の期待作を思っていたよりも早く観てしまった…!正直に言って、まるでデヴィッド・リンチのような難解な映画を装った終盤も含めて凡庸な出来。それでも多少の欠点にも目をつぶりたくなるくらい好きな映画だし、2017年の新作ベストに入れたい。

何よりもまず、同性の子への恋心が芽生えた主人公セルマの葛藤を、手の震えや身体の痙攣、光の点滅を駆使して描く前半、そこでの彼女が想いを寄せるAnjaと二人で過ごす一時の多幸感。特にセルマが眠りにつこうとした夜、前触れもなく外に現れたAnjaが痙攣したセルマを抱きしめる場面には感動した。(点灯した光が彼女の顔を照らす瞬間!)

セルマが想いを寄せる彼女は、このように不意に現れる存在として描かれる。例えば、セルマが泳ぐプールサイドや二人がコンテンポラリーダンスを観劇するホールのロビー。後者では、この映画で最初のキスが成立する。セルマの空想として描かれる二人が情事に至る直前の、彼女たちの頬を高揚させる説明不在の光も秀逸。

しかし、中盤でセルマが自身の症状に関する検査を受ける過程で、その感情を無意識的に抑圧して以後は、彼女が潜在的に持つ超能力を巡る映画となる。その結果、ヨアヒム・トリアー特有の青春の物語もスーパーナチュナル的な展開に回収されてしまう。それによって、前後半での主題があまりにも乖離しているように見える。

それ以前に、そもそも『キャロル』という傑作がある以上、ホモセクシャルな感情を葛藤を伴って描くのは、はっきり言って前時代的だと思う。例えば、セルマが家族とレストランにいる場面で、訪れた男性同士のカップルを横目で見た彼女が咳払いをするのは、彼女自身の同性への思慕を打ち消す無意識的な態度に見える。

まるで男性器を連想させるような蛇の口内への侵入も、女同士の性描写には不要だと思う。『アデル、ブルーは熱い色』よりは無自覚だとしても、作り手の男性的欲望の介在が否めない。

主人公が表情を失う後半もベルイマンの『ペルソナ』のような観念的な映画になっている。主人公の抑圧によってそれまでの主題を宙づりにした後半の展開を含めて、このような描き方では、同性への恋心という主題は批評性を意識した記号とすら思えてしまう。

ただ、本作では、セルマに芽生えた感情を彼女自身がはっきりと意識していないように見える。それは彼女が潜在的に持つ超能力に対しても言える。感情的な葛藤が身体的な動揺として現れる本作では、感情が症状と取り違えられて処理され、後半の超自然的な展開へと至る。

この後半では、セルマの幼少期へと遡りながら、彼女と家族の関係や過去が描かれる。彼女の潜在的な超能力は、父親を焼身させ、車椅子の母親の足を回復させる(前者は『ノスタルジア』、後者は『ストーカー』の影響とも思えるし、中盤のベッドの上で浮遊するセルマのショットも『鏡』や『サクリファイス』の模倣に見える)。氷の下に幽閉されたセルマの弟には驚かされるけど、これも恋心が封印される中盤に通じると思う。

セルマの超能力によって存在を末梢されてしまったAnjaは、湖の底を泳いで渡ったセルマがたどり着いたプールサイドの反復によって再登場する。しかし、この感動的な再会もセルマの空想として処理されてしまう。

それでも映画の終わりには、序盤のキャンパスという現実的な舞台へと主人公を帰還させる。だから、セルマの元にAnjaが現れた瞬間に嬉しくなった。空想ではない彼女とのキスを交わし、手を繋いだ二人の間に芽生えた愛は確かなものとして成立していた。
dohi

dohiの感想・評価

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衝撃的なシーンがとても多かった

なによりロマンス要素をかなり淡白に描写してるところに惹かれました
filmoGAKU

filmoGAKUの感想・評価

4.0
【記録】t.i.f.f. nor. 9 sep. 2017. in norwegian.
ホラーっていう扱いになるのこれ……? 個人的にはSFミステリーっていう感じ。
静かな映画だけど、糸がピンと張られて静止している静けさ、何かを常に抑え込んでいるような緊張感のある静けさ。

「卵か先か鶏が先か」みたいな、視聴者に最後の判断を委ねる話かと思ったら、作中終盤でかなり明確に一方に寄せてきたので拍子抜けしたけど飽きずに楽しめた。
トロント国際映画祭にて。


これ面白かった。オープニングからショッキング。
内気な女の子セルマがオスロに引っ越してきて、しばらくすると発作が。
発作の原因を調べるうちにあれこれ出てきて、自身に埋もれていたものが掘り起こされる。
映像はスタイリッシュだし、サイコスリラーとスーパーナチュラルスリラーのミックスふうのストーリー良し、不穏なサウンド大音響で気味悪さ増大。
めちゃくちゃ好みでした。これも見終わってあれこれ話したいやつ。
ポケモンフラッシュ注意。