すごく面白かった!
魔女奇譚なのだけれどベースは女性の自立の物語。そこに抑圧的な父からとの決別や、弱い母との優しい別れ、女性間の恋愛、性的欲望などが織り込まれている。
こういう少女の覚醒みたいなストーリーって、思春期を描くものが多いのだけど、これは大学1年生ということで、ちょっと遅い。で、その遅さもポイントになってる。田舎と抑圧がテルマを年齢のわりに幼くアンバランスにしているから。
黒い鳥とかのメタファーは『哭声/コクソン』的。
祖母ー父ーテルマの血縁(女系への遺伝)が、おそらくテルマで終わるのだけど、そのことが肯定的、ハッピーなものとして示唆されるのは、おおーと思った。