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ちはやふる ー結びーのtoncoのレビュー・感想・評価

ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)
5.0
みなさんが満点つけたくなる気持ち分かる…
小泉監督すごい、イクラにウニにアワビに…贅沢もりもり海鮮丼て感じですね。
新入生含め、端沢メンバー全員に見せ場が用意されていた、、!
ブルーレイは絶対買うんだけども、一人ひとりの名シーンをもっかいちゃんと見直したい。

以下、少しネタバレ含むかも?
原作がまだ完結してない中で、高校2年生をスパッとカットして3年生の話に盛り込んだ大胆な改編だけど…監督アッパレ。
2つの句の対比を通して物語を紡いだのは、監督オリジナルのアイデアですよね多分(最新刊にはまだ出てないだけなのか)。こう締め括ったかと驚かされた。

個人的には高校2年生の瑞沢×北央学園の熱戦が大好きだったので、チビコンプレックスの主将・甘糟那由太くんの名エピソード(登場するなら泉澤祐希くんにやって欲しかった)が割愛されたのは寂しかったですが、それを置いても名シーンてんこもり。

名人に君臨し続ける周防(賀来賢人)が、太一(野村周平)の心の闇を鋭く見抜き、導いていくエピソードは、原作でも屈指の名台詞オンパレードのパート。

最初にマンガで読んだ時は、ハッとして…うすうすは感じていたけど、やっぱりこれは太一の物語なんだと確信したくだりだった…(T-T)。

そんな名台詞が、賀来賢人の名演で紡がれると、ぐっときますよ。評判通り、すごく良かった。本作のMVP確定ですね。

サラブレッドの新(真剣佑)に対して、世の大半の人間は凡人で、太一と同じような葛藤を抱えながら日々がんばってるわけですよね。太一も秀才ではあるけどカルタは圧倒的な凡人。

ここで、結び編に至るまでの彼の過去の名台詞とともに成長の軌跡を…(原作含む)

「青春全部賭けたって、
オレは新より強くはなれない」

「オレだってカルタの才能なんかない、
キツいけどやってんだ」

「仲間にするなら、畳の上で
努力し続けられるヤツがいい」

「泣くな、オレはまだ泣いていいほど
賭けてない、悔しいだけでいい」

「先生オレはA級になるより、
逃げないヤツになりたい」

配役も、千葉真一の息子でオーラバリバリの真剣佑と、器用貧乏だけども飛び抜けた才能はない野村周平くんというのも、役柄にリンクしてる…。

いや、落としてるのではなく、精一杯強気を演じてる野村君が私は好きです。あんな同世代の天才役者たちに囲まれてよくやりきったよ。

持たざるものの話は、本当に胸アツ。千早の手すら掴めなかったところから、同じ土俵にあがるまでの彼の努力を思うと…いや、もっといえば卑怯な手を使うしかできなかった小学生時代のやんちゃ坊主からの成長を思うと、、(T-T)


それと、上の句・下の句では、冗長気味だった恋愛&ギャグパートが、結び編では、テンポよくキレキレに進むので、青春スポ根ものとしてすごく見やすい仕上がりになってました。
上の句で白目演出が無理だったーって人も、今回はイケますよ!
会場では幾度となく、笑いが起き、私も財布シーンは声を抑えられなかった。。

本当は公開当日観に行く予定が、捻挫をやらかして駆け込みになりましたが、、映画館で見れてほんと良かった。
でも堂々たる完結編でしたが、尺的な意味では物足りないので、ぜひとも、NHKあたりで連ドラ化して欲しいな〜
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