ハレルヤ

リングのハレルヤのレビュー・感想・評価

リング(1998年製作の映画)
4.0
そのビデオを見た人間は1週間後に死ぬ。呪いのビデオの噂を聞きつけたテレビディレクターの浅川玲子。その謎を追求するうちに山村貞子と呼ばれる謎の女性に行き着くホラー映画。

説明不要レベルのジャパニーズホラーの傑作。初見時は小学生。地上波での放送で鑑賞した記憶があります。当然もうビビりまくり。全編通じて充満する不気味な空気。謎が謎を呼ぶ展開。そしてラストの強烈なインパクト。見終わった夜は怖すぎて寝たくなかったほど。

それ以降も色んなホラー映画を見ましたが本作を超えるような恐怖体験はそうそうありません。今改めて本作の魅力を考えてみると、やはり邦画特有のジワジワと近づいてくる嫌な雰囲気。

昨今のホラー映画のように無理矢理音で驚かせたり、奇妙な造形のクリーチャーなどの派手さ重視の演出ではなく、どこか日常生活の延長線上で起こるかもと思わせる空気が秀逸。それも当時はかなり身近だったビデオやテレビという媒体を使っての恐怖。これが1つの大きなポイント。

そして呪いのビデオの映像の怖さ。鏡に映る黒髪の長髪の女性、袋を被ってどこか指差す人物、誰か分からない瞳に映った貞の文字。そして最後に映る井戸など、「これ何?」と思うような映像の羅列でゾクゾクする不気味さが堪りません。

ラストのインパクトもそりゃ本作の目玉ですが、そこに行き着くまでのストーリーテリングも素晴らしい形だったと思います。これはハリウッドリメイク版でも再現できないもの。あっちはただの普通のホラー映画という感じに終わっていました。

続編はいずれもイマイチでしたが、その度にこの1作目が作り上げた功績は本当に大きいものだと再認識します。今から初めて本作を見る人がどんな感想を抱くか。それは興味深いなと思います。笑
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