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検察側の罪人のururu66のネタバレレビュー・内容・結末

検察側の罪人(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ずいぶん前に劇場で見ました。木村拓哉もまさかの殺人犯で新境地を開拓した感。
でも、今でこそヒーローとかのイメージですけど、昔はむちゃくちゃ悪そうな役やってたんですよね、ギフトのギャング的な役とかハマってたし。尖りまくってるとこが実は木村拓哉の本来の魅力だと思うので、できればまた悪そうな役をガンガンやってほしいですね。
二宮和也も安定の自然な演技と、アイドルとは思えない迫力も素晴らしかった。
酒向芳との取り調べ対決は圧巻。

役者は良かったのですが、ストーリーとしては劇場で見たときにはすべてを理解することは難しい作品だと感じました。帰ってから原作を読んで、また違う結末だったりしたのですが、
なるほどー!とうなりました。原作はかなり読みごたえあったので、これを原田監督が映画にしようとすると、そうなっちゃうのか…と。
共感を求めるような作品ではない、骨太の社会派映画で、現代日本の見過ごされてきたある部分を告発したかったと思われる作品。

この映画のあと、気になって白骨街道やインパール作戦についても調べました。
日本が隠蔽してきた事実はえげつないですね。
原田監督が伝えたかったことが、これでもかとギュウギュウ詰めに詰め込まれ、
冤罪事件、政治家の汚職、宗教との癒着、権力者の圧力、軍国主義への懸念などを描いています。
といっても、この映画ではサラッと上っ面に触れた程度。
「今のは一体何だ?」と観客に疑問と興味を持ってもらいたかったのでしょうね。
今になって思えば、安倍元総理のモリカケ疑惑以降、統一教会問題、国防に関する問題など自民党政治による問題が表面化してきた現実とこの作品がリンクしてきます。
政治家の親族が怪しい新興宗教にハマっていることを描くために、わかりやすくあの変なダンスシーンがあったり、ア○ホテルっぼいホテルも出てくるわで、なかなか攻めてますが、映画を見た時点では何で?とよくわからなかった部分でした。

原田監督がジャニーズのトップスター2人を主役に据えた意図は、1人でも多くの日本人、できればジャニーズファンの多い若者層にこの映画を見て、
日本の問題点を知ってほしかったのかなと思います。マスコミの報道が忖度だらけであることや、日本の隠蔽体質など、今になって理解がやっと追いついてきた作品です。
映画では描ききれなかった部分については、原作も合わせて読むことをおすすめします。
原田監督への共感を込めて星4つ。
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