NobumitsuNisida

ミスター・ガラスのNobumitsuNisidaのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
4.1
誰だってヒーローになれる。
どの時代にもヒーローは必要だ。
なんてことをこの映画は伝えたいのではない。
ヒーローの存在と「秩序」の二項を著しく際立たせて(あえて二項対立と言うのは控える)問題定義をするところに、この映画の魅力がある。
アメリカ社会において、ヒーローは必要不可欠だ。しかし、現代社会において秩序の維持の優先性というのが長らくヒーローの存在を抑えつけてきた。なぜなら、世界秩序の維持がアメリカにとって最適解だと信じられていたからだ。それが、一国の傲慢さだろうがなんだろうが。そして、世界秩序の維持を謳い、実質的にあらゆる社会システムの覇権を握ることが真の目的なのである。

さて、日本はどうだろうか?秩序の維持という名のもとに、ヒーローを長らく抑圧していないだろうか?
つまり、秩序の維持が善であり、ヒーローの存在がある種悪であるということが、意識的であれ無意識的であれ、多くのメディアを通して刷り込まれてはいないだろうか?

なんて事を考えるきっかけを与えてくれる映画でした🎞
NobumitsuNisida

NobumitsuNisida