さー

ミスター・ガラスのさーのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
3.9
ただの力持ちとスーパーヒーローって何が違うの?という疑問に、答えを出したようで出してない、でも面白い3部作のトリを飾る怪作!

勧善懲悪ヒーローものを、どうも楽しめないわたしは、好きなヒーロー映画を聞かれたらこの3部作を答えることにします。

①力持ちおじさん改め、"監視人"
町の平和を守るヒーローだけど、敵の倒し方が絞殺という、かなりショッキングな活躍の仕方を「アンブレイカブル」でしていて、この人はヒーローなのか私刑人なのか…と思っていたら、本人も同じように悩んでて、ほんとダンおじさん良い人。

②多重人格者改め、"ビースト"
「24人のビリーミリガン」の映画化すごい楽しみにしてたんだけど、レオ様を待たずして強烈なキャラが爆誕してしまいました。百田尚樹の「プリズム」しかり、「Mr.ブレイン」(懐かしい)の仲間由紀恵しかり、多重人格者の話はなかなか忘れられない。ビースト出したいだけなら、23人もいらなくない?という声が聞こえてきそうですが、そこはもう…原作を尊重して…ね…

③骨が折れやすい人改め、"ミスターガラス"
ヴィランという立ち位置ながら、監督の声を代弁し、「アメコミノンフィクション説(今命名した)」を唱えるIQ高めのサミュL。サミュLが話すたび、シャマラン監督に語りかけられている気がする…ヒーローの地位向上に勤しむあまり、一般人の命をないがしろにしてしまうところが玉に瑕ですね。

キャラクターは三者三様ですが、一本筋のとおった、ある意味シンプルな作品に仕上がっています。ヒーロー映画には珍しく、噛めば噛むほど味がでる…是非何度も見直したいところ。
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