ふうま

ミスター・ガラスのふうまのネタバレレビュー・内容・結末

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

アンブレイカブル、スプリット、とつづく3部作のラスト。これでやっとこの3部作の大テーマみたいな、自分のなかでの答えが出たと思う。感想として自分の答えを書こうと思います。ポイントは均衡と個性だと思います。
まず、一応物語の驚きとして秘密結社?みたいのがあの3人を殺します。その理念は能力をもったヒーローだと認めるが、一方が現れれば他方がより力をつけて現れる。よって、善悪は常に競争のように争い続ける。それならば世のためどちらも、出来る限り苦しまないように消してしまおう。均衡を保つことでそもそものヒーローとヴィランの戦いすらなくそうという理念だと思う。ありえない暴論ではあるけれど、ヒーロー物への異を唱える論としては斬新でアリだと思います。ダークナイトでジョーカーがバットマンと自分は表裏一体でお互いがお互いを存在させるというジレンマを表示していました。それに対しての一般人からの意見みたいで、その戦いの犠牲は一般人だから両方いらない、みたいでなかなか面白いなと思いました。
次に個性ですが、3部作通してヒーロー、ヴィランの能力というのがトラウマや苦悩に対しての克服や抵抗によって生まれたものだということです。今回秘密結社がそれを危険なものとして取り締まろうとしますが、それは人の個性でもあります。それぞれの能力を妄想や病気だとして根拠を示しますが、それの原因がなんであれ人とは異なる優れた能力を持っているのも事実。つまり、人と異なる事に、病名やコンプレックスを持つのではなく与えられた才能や個性だと捉え、それを解放し、開花させようという解放だと思いました。これはいいメッセージ性があって良かったと思いましたし、これでやっと他の2作の共通テーマがはっきりと見えたと思いました。
あとはジェームズマカヴォイの演技がめちゃくちゃいいと思いました。前作のスプリットよりもより人格の変化が細かくかつ、より多いキャラが出てたんじゃないかなと思いました。アンブレイカブルの人も出てたり、それぞれ3キャラの見どころもあって、3部作の中では1番好きでした。
ただ、3人に能力があるので、能力バトルものかな?と思ってみると、他のヒーロー映画や能力バトルものに比べると派手さや爽快感は少ないと思います。でも、ヒーロー作品というものを客観的にみた面白さがあるし、普通のヒーロー物のような派手さがないのは過去二作からもわかるので大丈夫かなとも思います。
徐々に面白くなった3部作のラストで、まあまあ楽しめました。
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