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今夜、ロマンス劇場でのsのネタバレレビュー・内容・結末

今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

友人と観に行き、想像以上に感動し心に残った映画だったので2回目鑑賞しました。

設定から好き。
映画のヒロインがスクリーンから出てきてしまうなんて、素敵すぎる。
しかもスクリーンから出てきた理由も良かった。“見つけてくれたあなたにどうしても会いたかった。”代償が伴うと分かっていてもそれでも牧野に会うために映画から抜け出してきた。牧野に対しての想いが凄く伝わる。

触れられない切なさと、一緒にいることの温かさ。切ないようで、でも心が温まる映画でした。
2人が選んだ道は一緒にいること。きっと毎日触れたいと思ったはず。しかし好きな人が消えてしまうこはもっと辛いよね。だから牧野が抱きしめられなかった気持ちが分かるな。
皆んながしている当たり前の事が出来ないとありましたが、しかし違った愛し方も出来るんだと気づかせてくれる映画。
例えばハンカチで手を繋いだり、ガラス越しでのキス、見る度にキュンときた。

ロマンス劇場が閉館になるシーンは私も思わずキューっと胸が締め付けられた。思い出の詰まった劇場が閉館になってしまうのって本当に切ないよね。私も人生初めて観た映画館が閉館になり取り壊しになって何もなくなってしまった時凄く悲しくなった。小学生の時だったけどとてもショックだったな〜。その時のことを思い出しました。ついこないだも日劇が閉館になりましたよね。誰かの思い出の場所、そこで出会った作品なんだよね。牧野の切ない顔が忘れられない。もちろん牧野と姫が出会った思い出の場所でもあるけど、牧野が助監督として忙しい中、映画が好きで通っていた劇場、きっと沢山の映画に出会ったんだろうな。

あのラストには良い意味で裏切られました。
私の好きな映画「きみに読む物語」と「タイタニック」のラストの要素が入ってる。
好きな人と一緒に永遠の眠りにつく、そして皆んなが祝福してくれるあのシーン本当にいいね。
あの夢の世界で2人はお互いに触れても消えない。そして1番色が鮮やかになる。
この映画で2人の心の距離が近づくにつれて色が鮮やかになっていて、色で心の変化を表しているのがとても魅力的でした。

ロマンス劇場のおじいさんの恋人もスクリーンから出てきた。しかし今はその姿がない。私が考えるに、姫と同じ悩みを持っていたのかなって…。好きな人には自分でなくてもっと普通の恋愛をして幸せになって欲しい。ってだからきっと誰かに触れてしまって消えたのでなくて、あのおじいさんに触れて消えたと思う。それか今もいるとしたら遠くからおじいさんの幸せを思って見ているのかなって…もう妄想に過ぎないけど切ないなぁ。夢の世界では結ばれて欲しい。


また2回鑑賞すると1回目では気付けなかった事に気付いてまた、それが楽しい。
最後看護師が牧野の病室に訪れた際に、窓際の花瓶に一輪の赤い薔薇があった。姫はお見舞いに来るたびに赤い薔薇を持ってきていたんだな〜って。薔薇は牧野とのデートで初めて触れた花、牧野が王子様になって差し出した花、2人にとってこの薔薇は思い出の詰まった薔薇なんだよね。素敵。

最後、病院から連絡があった時の季節は冬でした。雪が結構降っていてとても寒そう。それと対比するかのように、好きな人の温もりが伝わるシーンがとても良かった。

似たような映画で「カイロの紫のバラ」という映画があるらしくて、早く観てみたいなぁ。
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