アガサ

タイムループ 7回殺された男のアガサのレビュー・感想・評価

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謎の男が謎の男たちに狙われ、殺されるたびまた同じ場所で目覚める、の繰り返しなのでてっきりSFの方向で頑張るのかと思ったらとことん内省的なお話しだったでござる。

過去も未来も持たない人殺しだけの日々にうんざりした主人公が謎ドラッグで記憶を消し、属していた人殺し集団に自らの殺しを依頼した。というのがコトの真相として明かされるのだけれど、それではタイムリープする理由がわからない。

主人公は血塗られた人生に終止符を打とうと覚悟を決めたんだけど、実は全然腹をくくっていなかった。
生に対する執着心と、そんな執着心に対する罪悪感とで、「死」を受け入れられなかったのではないだろうか。
水面や鏡に写る自分の顔が認識できないことや、人殺し集団から必死に逃げることや、毎回同じ場所で目覚めることはその表れ。
逃げることをやめ、人殺し集団と自分を同じ生き物と認識できた時に初めて「死」を受け入れられたのではないか。
そこでやっと繰り返しは終わり、死を経て新たな人生のスタート地点に向かえた(転生できた)。
そんなクライマックスだったのかなぁと思いました。

顔のない集団を人殺し以外に置き換えても通じる話かもしれませんね!
ま、正直映画自体は眠かったですけどね!
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