Miver2

BUCK-TICK CLIMAX TOGETHER ON SCREEN 1992-2016のMiver2のレビュー・感想・評価

5.0
12年周期で行われて来たライブから見えてくるバンドの現在をしっかりと捉えて紐解きながら、その時々の現在がこの瞬間に繋がって行く事で感じるBUCK-TICKの歴史と現在の凄さをたっぷりと堪能出来る作品でとても面白かった。

序盤では革新的なステージを繰り広げて行く中でのきめ細かいその一瞬や表情がしっかりと捉えられていて。

序盤では櫻井さんが歌う姿やその表情に引き込まれる。
妖しくて美しくてかっこいい、何処か少し狂気が滲み出ているその豊かな表情とその一瞬に釘付けになる。

とある曲では今井さんのギターソロでノリながら弾いてる姿を観ていてると、ユータのノリ具合がふと自然に目に入って来て。
その光景はとても良い形でお互いが共振し合っているのが伝わって来る素晴らしい瞬間で最高だったな。

そしてとある曲でのエンディングの演出とそのライティングが本当に素晴らしかった。
思わずグッと来る、あの画になる美しさと凄さを堪能する事が出来た。
そこから今井さんが語るその場面からライブに繋がるシーンには思わず笑ってしまったけど(笑)
それであれだけキレッキレなカッコ良さを放つライブシーンは最高過ぎるカッコ良さで、座って観ていても踊りたくなる。

中盤で描かれて行くライブシーンを観ていて、この時は「極東から愛と祈りを込めて」というライブになったんだなと思った。
そしてバンドが試行錯誤しながら、現在と共鳴し合う中でその先へと向かう行き先を探していたのかなと観ていて思った。
それが見え始めた時期なのかなと、回想するその語りから感じた。

終盤ではバンドの現在進行形の姿を映し出すあのカッコ良さに改めて釘付けになる。
あの近未来感と拡がる宇宙に全てが溶け合うような圧倒的な空間は最高過ぎた。

現在と過去を改めて繋げて、そこから拡がるその先の未来へとまた突き進んで行くバンドの姿をしっかりと捉えていて。
それを改めて体感する事が出来たのは最高だったな。

序盤の頃はある種のアクの強さや覚醒するその瞬間に開花して行く瞬間の記録でもあるのだと思う。
そして最後はあらゆる物全てが豊かに溶け合いながら、鳴り響かせる圧倒的な空間の凄さを実感。
変化したり進化したりするからこそ、変わらない何かが確実に存在してるように思った。

100分位で描かれて行くドキュメンタリーはあっという間で、意外とサラッとしてたのが良かった。
感情を強く出さないで冷静に描くからこそ、その世界観がより深く際立っていたように感じた。

しかしながら描かれて行く中で、櫻井さんがとても丁寧にフラットに落ち着いて語るその姿が最高に素敵でカッコ良かったな。

この作品は現在から過去を辿って繋げて行く事で浮かび上がるバンドの歴史とその凄さを改めて体感出来る素晴らしいドキュメンタリー。
早くライブが観たくなる。
BUCK-TICKをより深く知るにもお勧めの作品だと思います。
また観に行きます。
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