たろたろ

ウィンター・ウォー 厳寒の攻防戦 オリジナル完全版のたろたろのレビュー・感想・評価

3.8
ちょっとしたことで最近知り合った、顔が青白くて不健康そうな男の子が熱心におすすめしてくれたので鑑賞。

WW2の始まった1939年にソ連がフィンランドに侵攻した冬戦争を、フィンランド映画史上最高の制作費で再現した映画。
全て実際に本物の兵器や武器を使用したらしい。確かにリアルで生々しい戦闘描写だった。
ストーリーは、これといってドラマチックな展開も主人公もいなくて、淡々とソ連兵とフィンランド兵との一進一退を描いてて、映画というよりドキュメンタリーに近いかもしれない。

でも、真っ白な雪景色に転々と真っ赤な血と共に死体がたくさん転がっている風景は戦争映画では中々見ないのと、音楽が重厚な北欧らしい管弦楽だったことで、物悲しく切ないのにどこか華麗で最後まで魅入ってしまった。良作。


バルト三国の二の舞にならない為、どこまでも泥臭く必死に戦うフィンランドの民兵がどうしても日露戦争の頃の日本兵に重なった。
ロシアの被侵略国っていう点で同じだからだと思う。

坂の上の雲で司馬遼太郎が言ってたけど、侵略戦争では侵略国の方が士気の面では格段に落ちる。まぁ当たり前だけど、侵略する側は命をかける必要を感じないけど、侵略される側は敗北が占領に繋がるから命をかけて戦うから。

冬戦争の結果としてはソ連の勝利だけど、頑強な抵抗のおかげでフィンランドは独立を守った。
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