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グッド・タイムのtubure400のレビュー・感想・評価

グッド・タイム(2017年製作の映画)
3.5
同じ監督の『アンカット・ダイアモンド』は駄目な中年親爺の人生の破綻を描いた映画という感じで、ある種の愛嬌があったけれど、『グッド・タイムス』は、もっと年代が若くて、切なさがある。とはいえ少し笑えるくらいの災難に次ぐ災難に主人公が巻き込まれていく、という大筋はあまり変わらなくて、よっぽどそういうのが好きなのかと思わされた。ヒリヒリとリアルで痛々しいというよりは、『奇跡体験アンビリバボー』的なふわふわした夢物語感があって、無理があるだろ〜という展開も、OPNのサウンドトラックも相まって陳腐にはならないのがすごい。

「田舎で牧場を買って、好きなように暮らす」とか、そういうホールデン少年的な夢物語はまず叶わず、最終的には落ち着くべきところに落ち着くということ。こういうのは現実でもよく味わう感覚だな、と思わされた。いろんな事を説明しすぎないのが良い。最後の最後でIggy Popの死の淵から響くような渋い歌声にホロリとくるものがあった。
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