木曳野皐

少女ファニーと運命の旅の木曳野皐のレビュー・感想・評価

少女ファニーと運命の旅(2016年製作の映画)
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これが現実にあった話というのも平和な日本で暮らす私には信じ難い。が、事実であればある程目を逸らさずにはいられない。

まず「ファニーと運命の旅」というタイトルではなく“少女ファニー”だった意味についてを考えた。
そう、こんなシビアなテーマで始終ヒリヒリストレスを感じながら観ていたのだが、あの水を掛け合うシーンだとかポロッと泣いちゃう少年とか、どんだけ強がったって頑固だって前向いてたってこの子達、少年少女なんだよな。
そんな少年少女が力合わせて前向いて走ってんのに私ハタチにもなって何下向いて立ち止まってんの?って思ったわ、これが平和ボケか?()

この子達にとって“失う”とは、“居なくなる”事では無く“死”であるというのが嫌なくらい伝わってきて、その分些細な幸せは見逃さなかった。
だけどこんな経験してまで些細な幸せを感じたい訳ではないんだろうな、って勝手に想像して傷ついた。

差別なんか0でいいから、幸せ増やして欲しい。
幸せになって欲しいよ。
引き算を続けるといつか0になっちゃうよ、早くそれに大人が気づかないと。
0と1は違うよ。
大事なのは1と0の間、とも言うけれども。(それはBUMP OF CHICKEN)

そういえば「幸運を祈る」ってスゲー他人事だなって思った。
木曳野皐

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