菩薩

おじいちゃん、死んじゃったって。の菩薩のレビュー・感想・評価

4.2
うざい、キモい、だるい、だらしない、しつこい、めんどくさい、もう嫌だ…。でも優しい、暖かい、懐かしい、そんな家族の形を葬式から見つめ直していく作品、これはなかなかいい。おじいちゃんが死んだ時にSEXをしてた罪悪感だなんてトリアーみたいだなとか思ったけど全くそんな要素は無く、むしろ男はつらいよの、特に寅さんが帰って来た直後のあの喧嘩の雰囲気を持っている作品だった。印象的に使われる田舎の一本道、家族と言えども赤の他人、親と言えども赤の他人、でも結局は生まれて来てから死ぬまで続くのが家族の関係性であり、葬式はそんな家族にとって最後の一大行事、そして本人の人生を試される試練でもあり、家族の絆を試される試練でもある。全く泣くつもりもなく臨んでしまったがために、今はボケてしまった婆ちゃんについての回想シーンには完全にやられた、あれは反則だ…別に婆ちゃん子でも無かったのにやばかった…。近年の邦画には珍しいくらいに喫煙シーンが多いのも気になるところ、しかも未成年、かつ飲酒まで!ってその子は絶対普段吸ってない吸い方してたけど、岸井ゆきのさんはこのために練習したのでは?くらいのぎこちなさがなんとも良い。んで毎回の事で申し訳無いけどこの岸井ゆきのさんが本当に可愛らしい、特に喪服に咥え歯ブラシにお風呂上がりと、もはや俺のフェティシズムをくすぐる為に存在してんの?って聞きたくなるレベル、そんな彼女のSEXで始まりSEXで始まるのだからたまらない。ダサいとこやいらないとこ、特に最後のインドのシーンは全くもって不必要だけどそんなのもこの際許そう、関係なくなんて無いよ、家族なんだから、そんな一言が心に残る秀作。

ししまい

じゃなくて、おしまい、いや死終いか。
菩薩

菩薩