ダメハム

アリチャンのダメハムのレビュー・感想・評価

アリチャン(1941年製作の映画)
3.2
1941年の瀬尾光世監督作品。文部省の委託を受けた短編アニメ映画。
擬人化した昆虫や音楽演出は、ディズニーの『シリー・シンフォニー』の影響を多分に感じる。

この作画クオリティーならディズニーだと1930年の時点で到達してると思うけど、キャラクターの愛らしさはどこか日本的。アニメーションとしても思った以上に動いてる。白黒せりふなしだけど、奥行きのある背景、光と影の演出、レイアウトのはまり方など、おっと思わせるものがあるね。

物語もギャグに頼らず、カットバックやオーバーラップでアリチャンの心情を語らせる演出がすごい。でも、アリチャン、そこは謝らないのかい。

同じ年にフライシャーが『バッタ君町に行く』を公開していることを考えると、アメリカと日本のアニメーション技術は実際には何十年もの開きがあったんだなと思わずにはいられなかった。
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