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メランコリーの妙薬のtetsuのレビュー・感想・評価

メランコリーの妙薬(2008年製作の映画)
3.9
監督の作品が好きだったため、地元の関西から東京まで足を運び、鑑賞。

一夜を共に過ごしたものの、記憶を失くしてしまい、フラフラと過ごすことにした男女の1日とほんの少し。
関係を続けたい男と関係を終わらせたい女。二人の関係を追ったドキュメンタリーに近い物語。

PFFで本作が上映されるということを聞き、即刻チケットを買って、東京へ。
そのため、日本のインディーズ映画の祭典"ぴあフィルムフェスティバル"に参加したものの、最優秀作品を観ずに帰るという暴挙に出てしまいましたね...。笑

『華氏451度』のレイ・ブラッドベリさんが書いた同名短編が基となっていると聞き、勝手にSF映画だと思い込んでいたのですが、全く違うという誤算。笑

『ムーンライト』では寒色、『ビールストリートの恋人たち』では暖色と、作品ごとに色調を変えつつも、美しい映像が印象的だったバリー・ジェンキンス監督のデビュー作で、
本作では全編にわたり薄ぼけたセピアカラーに近い映像が使われていました。

アメリカ社会において「黒人」として生きることを話す主人公たちなど、この作品の時点で監督が描こうとしている一貫性が見えたのは大きな発見。

夜行バスの移動疲れというのもあって、少し微睡んでしまいましたが、それも含めて、気持ちの良い鑑賞体験でした。
(でも、やっぱり、もう一回、ちゃんと観たい。汗)
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