ヨダセアSeaYoda

リバー・オブ・グラスのヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)
4.0
"こんな生活になっても、見慣れた場所にいるなんて。"

"モーテルで絵を眺めながら、私のことを考えてる人はいるかしら"

【STORY】
 アイデンティティが確立されないまま大人になりグダグダと生きている男と女が出会い、2人はひょんな事で社会から隠れなければならなくなってしまう。


【感想】
《ケリー・ライカート3貫》2貫目

 ライカート監督デビュー作。後の『オールド・ジョイ』『ウェンディ&ルーシー』『ミークス・カットオフ』等はすべて人々が移動する中で起きる変化や出来事、会話を描くが、今作は "どんな状況でも同じ場所の周りにいる" というのがメインポイント。
 移動しないのにロードムービー風に見える面白い作品。

 その場所に自分のアイデンティティも居場所も見つけられていない2人なのに、結局抜け出さないし抜け出せないという停滞感がズルズルと続く作品だった。

 ただそこまで重たい雰囲気ではなく、むしろ監督作品の中ではかなり軽い方だと思う。ジャンルとしては思い切りクライムコメディだし、コメディシーン(特にゴキブリのくだり)では客席からクスクス笑いが起きていた。

 オチには「なるほどそう終わるか…!」とスッキリ。最初から最後までテーマや描かれる事が一貫した作品だった。

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観た回数:1回
直近の鑑賞:映画館(21.07.18)
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