むるそー

リバー・オブ・グラスのむるそーのレビュー・感想・評価

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)
4.5
私の人生こんなもんかーーって鬱屈した日々を過ごしていた主婦と、偶然銃を手に入れた引きこもりの男性とが出会い、プールサイドで誤って人を撃ってしまったことをきっかけに逃避行を繰り広げる典型的なロードムービー

と思いきや、人も撃っておらず警察に追われてもいないことがラストの直前で判明する。お金がなくて遠くにも行けず、そして男女の逃避行なのに愛もない。殺人を犯した緊迫感の中でもどこか逃避行というロマンスに胸をときめかせていた彼女は、その事実を知ってすっかり冷めてしまい、男性を撃って1人で本当の逃避行をはじめ、物語は幕を閉じる。

旅の先に誰もが求める楽園は存在しないし、自分は主人公じゃない。憧れ続けても何者かになれる日は永遠に来ない。所詮僕達は死ぬまでの間、人生という小さい湖の中で漂い続けるだけなんだなぁ、、、
むるそー

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