スチュワート・ラフィル監督作。
『E.T.』(1982)の便乗パチモンですが、二番煎じと侮れない良質なSFファンタジーとなっています。
家族と共に無人探査機に吸い込まれて地球に飛来した火星人親子の子供と、車椅子の人間の少年の出逢いと交流を描いた“異種交流ファンタジー”の良作で、明らかに『E.T.』をベースとした便乗映画ではありますが、スリルとユーモアが両立した優れた脚本と宇宙人のキモカワな造形&挙動が癖になるハートフルなSFドラマとなっています。
あのマクドナルドとコカ・コーラがタイアップした作品でもあるので、劇中マックやコーラが前面に登場する仕様となっていて、地元の子供たちのパーティ会場となるマクドナルドではマスコットキャラのドナルド・マクドナルドが台詞付き出演していますし、弱った宇宙人親子を急速回復させる神アイテムとしてコカ・コーラ缶がフル出場します。
お目目ぱっちりヒョロヒョロ火星人&車椅子少年との種族の垣根を越えた交流と友情の形成を、研究所から消息を絶った火星人親子のゆくえを追う政府組織との攻防を絡めて描き出した心温まる作品で、ジョン・ウィリアムズ風の劇中音楽を提供したアラン・シルヴェストリの功績も大きいファミリーSFの隠れた名篇であります。