劇場鑑賞。
好きなジャック・オーディアール監督作にmyハズレなしを更新。
異色の西部劇、という触れ込みにも納得。
西部劇の見せ場のひとつである銃撃シーンは最小限に止めていて会話で魅せる心理ドラマに近い。
何とも言い難い贅沢な時間が作品の中でゆったりと流れゆく心地良さ。
この作品は原題通りに「シスターズ兄弟」の物語であり、ジェイク・ギレンホールとリズ・アーメッドは助演に徹している。
ジェイクとリズが『ナイトクローラー』以来のまさかここまでがっつりと再共演しているとは思ってもいなかったので幸せすぎた。
彼らが善い人なのかそれとも裏がある人なのか疑いながらの鑑賞も実に楽しむことができる。
リズ・アーメッドが台詞を一言も発することもなく、ただこちら側を見つめている場面に崇高な美しさを感じずにはいられず、その姿に見惚れた（やはりバンビな瞳が印象的）。
4人の男優たちの競演が最高に豪華で、ルドガー・ハウアーこそ正に贅沢な使いっぷり。
追う側と追われる側がある地点から心許していく光景が妙。
けれど、欲深い人物の行動でそれが予想外の展開へ一転していく。
すべてが終わった後の長回し的な穏やかなラストシーンが最高に好きだ。
また愛せる西部劇がひとつ増えたことがとても嬉しい。
