« In the Fade »フランスにて
いまだに絶えない外国人を狙ったドイツ極右テロ組織の犯罪に触発されて製作した作品。自身もトルコ系のファティ・アキンは 他人事ではなかったんだろう。終始重く苦しい本作だが、三つの章で構成されており非常に見やすく全く飽きさせない。張り詰めた裁判シーンは圧巻。開放的なギリシャの景色も、そこで行われている事とは対照的に、ただ美しい。
最愛の夫と子供を失った女。失意の中、警察に過去のことや自分のことを散々探られ疑われ焦燥しきった状態で目にする容疑者の姿…憎たらしいなんてもんじゃない。完全に主人公に感情移入してる自分がいた。前半の悲しみに打ちひしがれる姿、後半の何を考えているのか次に何を企んでいるのか読めない狂気を孕んだ表情。ダイアン・クルーガー、素晴らしい。
復讐の果てには果たして救いがあるのだろうかーー
彼女はラスト、その答えを悟ったのだと解釈した。
邦題…
