まりん

BPM ビート・パー・ミニットのまりんのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

私にはNYにゲイの友達もいるし、その一人はフランス人だし、他人事じゃない。
本の一昔前、ゲイやレズビアンは社会的に認められず。HIVは不治の病で。
社会的マイノリテキが掛かる病気に社会は冷たい目を向け、政府や製薬会社も積極的で無く。
情報が無いから。更に広がる。差別も受ける。
家族や恋人や友達が横で倒れて死んで行く。
まず、知識を持て!と。そして動け!と立ち上がったのが、劇作家のLarry Kramer。

私は、無知は罪だと知っている。
知って突きつけられる恐怖より、知らないで居る事の方が怖い。
悲惨な病気で目を背けたくなる。ゲイや、薬物中毒者や、刑務所内の受刑者が主な患者だから、目を背け、彼らへの罰だと言う方がそりゃあ、楽だっただろう。世間は。
だけど、HIVだけじゃない。あらゆるマイノリティが差別され、冷遇され、救いの手を差し伸べられないかも知れない。
その時思い知るのだ。自分は無知で、見捨てたのだと言う事を。

この病気は、今は不治の病ではない。有効な薬が有る。
でも、もし、今も薬が無かったら、お別れに、今までのお礼に・・と可愛いミニブーケを買ってくれたその辺の女子より可愛い彼が、苦しみ、病に倒れているかもしれない。
そんなのは嫌だ。私は、彼らと共に戦いたいと思う。
のんびり待っていたら、助からない命が有るのだ。だから彼らは過激に戦った。もっと本気を出せ!と。怒りと共に。
でも、そこには焦りや、恐怖や、悲しみから立ち上がる為の必要性が有ったのだと思う。

可愛くて、美しくて、悲惨で、切なくて、苦しくて。とてもリアルでドキュメンタリーのような映画です。
まず、知って下さい。
まりん

まりん