ボンクラユースケ

ビューティフル・デイのボンクラユースケのレビュー・感想・評価

ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)
5.0
死に損ないの亡霊と穢された無垢な少女。
こういった孤独な魂同士の邂逅は幾度となくスクリーンの前の我々を照らし続けてきたが、こんなにも徹底的にスタイリッシュな作風を貫いている映画はこのYou were never really hereだけだろう。
何を見せて、何を見せないか、その取捨選択が生む張り詰めた緊張感や、唐突に挟まれる笑っていいのかどうか分からないラインのユーモア、このバランス感覚は唯一無二だ。
そしてジョニーグリーンウッドの心地よい不協和音の上にウワモノの楽器として配置されたような何気なく挟まれる環境音、生活音、人物たちの台詞、全てがとてつもく緻密に、リズミカルに設計されていて、本当にクールという言葉以外当てはまるものが見つからない。
2012年のニコラスウィンディングレフン監督「ドライヴ」以来の圧倒的カルト映画の誕生だ。