しん

ビューティフル・デイのしんのレビュー・感想・評価

ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)
4.0
2018.07.24
こんな映画中々ない。独特のカットで紡がれる映像、そこにグリーンウッドの音が合わさり映像の力は増していく。遠くのサイレン、車の雑多なエンジン音、喫茶店の人々の会話。日時的なノイジーな音を切り取りながら不協和音が奏でられ何ともいえない不安な感情が盛り立てられる。
劇中でサイコが引用される中で映画がテーマにしている親子の関係性は明白だし、主人公と少女が抱える闇の共感性も納得。
ホアキンフェニックスの重厚感ある演技がとにかく凄いし、生々しさの中で湖畔のシーンのような息を呑む、あっという美しさが佇むシーンもあり眼福。
ラスト深い余韻に浸ってしまう。
あなたは決してそこにはいなかった。
過去形で綴られる原題のタイトル。
ビューティフルデイという邦題の持つ意味。
そこには彼等のこれからに一筋の希望があると信じたい。
しん

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