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母という名の女のmのレビュー・感想・評価

母という名の女(2017年製作の映画)
4.5
痺れた。
もの凄く人間的で、もの凄く怪物的。
女をよく理解出来ている作品だと思う。

あー!好き過ぎる!!ってぐらいのもう死ぬほど良かった。
エンドロールBGM無しの監督の思惑に見事にハマった恐ろしさ。
どんな表現だよって言われるかもしれないけれど、吐血するぐらい今作は大好き。

バレリアという女の子が17歳で子供を身ごもってしまった。
そこから家族崩壊のストーリー。

まず、母アブリルという女は完全に怪物だった。
その背景には女ならではの感情【女の賞味期限】という闇が感じられる。
そこにプラスされた【母性】
バレリアの為と言いながら下調べなどをしている感じがなんとも言えない恐怖を感じた。
怪物だと思うこともたしかにあるけれど、女ならではの感情。
……いや、でもサイコだよなぁ。

そして、バレリアの姉クララの女としての気持ちも理解出来た。
今作でセリフがあまり無いからこそ滲み出る陰キャ感。
描写は無いにせよ、女としての嫉妬やなぜ私は…という気持ちが感じられる。

バレリアの旦那マテオの冷め方もリアルだった。
子供が欲しいというセリフに喉仏を落とした。
マテオが正常で良かった。

ラストのバレリアの笑みに救われた。
最初は母としてやっていけるのか、と心配になったけれど、ひとつ成長したね。
バレリアと娘が平穏に暮らせる未来が見えてよかった。

いやぁ、でもやっぱり、アブリルは近年の映画でも抜きん出てサイコ的だった。
でも、人間臭くリアル。
彼女が愛おしい。

ストーリー : ★★★★★
映像 : ★★★★☆
設定 : ★★★★★
キャスト: ★★★☆☆
メッセージ性 : ★★★☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆
キャラクター : ★★★★★

cc/母性などない。あるのは欲望だけ──
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