みずいろ

女王陛下のお気に入りのみずいろのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
3.3
とてもおもしろくて一気見。最初、人畜無害で気さくな美女かと思われたアビゲイル、実は野心にギラつくやばい切れ者で、あっという間に女王に取り入っていく。
最初はサラを味方にし、その後裏切って女王の寵愛を受ける流れが美しすぎて拍手…!

「彼女を解雇しなさい」「いやよ、あの子は舌でしてくれる」このセリフすごい。その後泥風呂でサラが愛を取り戻すところもすごい。女ってほんと、女に負けるのが嫌いだ…!

サラは女王を愛していたのだろうか?国のため、思い通りに女王を動かすために愛するふりをしていたのか?でも実は器用な人ではないし、手紙を焼くのは苦しそうだった。あなたの目を刺す夢を見た」ってすごい言葉。「むしろ愛憎が絡んだ感情は、愛より強いのかもしれない。

勝利したかに見えたアビゲイルだが、最後のシーンでは女王に頭を掴まれ、結局自分が上位に返り咲くことはできず「一生こいつの顔色を窺うのか」という絶望に満ちておりこの表情が最高に上手い。
女王としても、楽しいアビゲイルより頭の良いサラを想ってしまっていて、結局はその場しのぎの楽しさよりも「自分にないもの」を与えてくれる人が最後の愛を勝ち取るという構図。なんだか不倫と離婚を後悔する男のようでもあり、こういうのに男も女も関係ないのだなと思った。
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