森田

女王陛下のお気に入りの森田のレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
3.5
昨日見た『哀れなるものたち』が良すぎて他のヨルゴス・ランティモス監督作を見てみたくなり、ネトフリで鑑賞。見たい!と思ったときにこうやって簡単にアクセスできるから大配信時代サイコ〜と思います。

で、どうしても『哀れなる〜』と比較しながら見てしまったんだけど、やっぱりカメラワークや滑稽でゴージャスなダンスシーン、セックスの描き方なんかが同じで、なるほどね〜と思った。こういう監督なんですね。

没落貴族だけど聡明で瑞々しい肉体と美貌を持ち、狡猾さも持ったエマ・ストーンがどんどんのし上がって行く様子が爽快だった。
女王の前で薬草の功績をアピールする、咳き込みのわざとらしさ!サラと女王の秘め事を目撃してしまったときの、「マジかよ……」みたいな表情最高だった。

普通だったら、側近の支配から脱却し自らの足で立ち上がる女王。とか、没落貴族から成り上がって頂点に至るアビゲイル。とか、のし上がってきた女を蹴落として女王の側に居続けるサラ。とか、そういうふうに「誰か」を主人公にした物語にしてしまいそうだけど、そうしないところに凄みを感じた。どこまでも平等で哀れな3人の物語だった。
いろいろな形で互いに取り入り、依存し、支配し合っていた3人の関係性。最終的に誰も幸せにはなれず、なんていうか『哀れなるものたち』よりも「哀れなるものたち」だな…と思うなどしました。
森田

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