THE FAVORITE あの終わり方よ!劇場で見ていた全員が「haha」って言って、拍手もまばらで出ていく。これこそがきっと製作陣のツボ。理解されないけど理解できるあの終わり方。むずがゆいアメリカ人には受けない終わり方。最高すぎて、言葉を失った。
美しい弦楽器で繰り広げられるシンプルなサウンドトラックが3人の演技をシンプルにそしてより引き立たせる。素晴らしい。
エマ・ストーン、素晴らしい演技。彼女しかこれはできない!と思ってしまうほどの彼女のアイデンティティが輝く。面白さを含めながら美しくそしてブリティッシュなまり!もうかけた部分などないぞアカデミー賞受賞女優。
そして今回主演女優賞を今作で受賞したオリヴィア・コールマンのすばらしさ!一見ただわがままで幼稚な女王を演じているだけのように見えるがその裏にある重い過去まで背負っている演技。素晴らしい。いわれるがままに左右してしまうかわいらしくて頼りない女王が良く描けている。
レイチェル・ワイズもまた素晴らしい。パンツ系で決めたドレスがよく似合う。
まさかのレズ展開なんかも見どころで、結構性的なことが浮き彫りになるのも面白い作り方だと思った。貴族であり王族である彼らがそういう展開も起こす。そしてわけのわからないネタのようなダンスを舞踏会で真剣に踊る!
コメディでありながらその場の伝統である重みを消すことなく、美しさと面白さと”奇妙さ”を融合させた大変すばらしい映画だった。
ニコラス・ホルトの役柄もめっちゃ好きだ~!
これほどに”上品”で”下品”な映画は見たことがない。
宮殿以外で展開を見せない、ほぼ3人の会話劇であるがそれがまた大変すばらしい。
I dreamed that I stubbed your eyesの書き出し手紙、大変良いぞ。
あの終わり方は素晴らしい。何度も見たい。