JTKの映画メモ

女王陛下のお気に入りのJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
5.0
今最も次作が楽しみなド変態監督ヨルゴス・ランティモスの新作は期待通りどころか期待を上回る大傑作。
実話の映画化。雇われ仕事なのなどうかは預かり知らんが見事にヨルゴステイストに昇華されていた。
醜女でデブの女王アンと側近サラと天使のように愛くるしい召使いアビゲイルの3人を中心に繰り広げられる愛憎劇。
前作「聖なる鹿殺し」の不穏ムードは後退したものの女性同士の底意地悪い心理描写のブラックな妙味はさらに深化し面白すぎて思わず笑ってしまう。
クラシカルでゴシックな音楽とキューブリックの「バリー・リンドン」を彷彿させる美麗な映像に度々挿入される嘔吐シーン。
美と醜。聖と俗の絶妙なコントラスト。この感覚、たまらなく好きだわ。
大傑作「サスペリア」同様、今年度のベスト3には入るな。
ホント次作が楽しみな監督。