ジャッキーケン

女王陛下のお気に入りのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
4.0
また怪作を生み出してしまったなヨルゴス
ぶっ飛んだブラックユーモアで綴る侍女同士の蹴落としあい。
チャプターごとにタイトルがあり前半はタイトル通りのオチに行き着く面白さがありエマストーンが女王と側近のレイチェルワイズの秘密を握ることで宮廷でのし上がっていく下克上物語として見応えがありましたね。

当時の宮廷内を再現した豪華絢爛な内装、衣装、絵画、本当に綺麗すぎるくらいに美しい。人が身につけているものや眼に映るもの何もかもが綺麗なのに、女王陛下はじめみんなやってることは汚い
内面の汚さが美しさを侵食していく

エマストーンvsレイチェルワイズの女王の側近ゆえに持てる権力を使って蹴落としあいを展開する。エマ演じるアビゲイルが幼少から歩んできた人生をレイチェルに浴びせる逆襲、女王のお気に入りゆえに背負わざるを得ない宿命は胸が晴れるどころか落とし前まで流石のブラックユーモアで締めるヨルゴス監督の良い意味で性格の悪さが滲み出てる。

女王を演じたオリヴィアコールマンはどこかで見たことあると思ったら「ホットファズ」の下ネタ大好き婦警!子供のように駄々をこねる女王はまるで時限爆弾
でもこの人も17人も子供失くしてたらそりゃあ病むよなって思いました。

笑えるようで笑えないユーモアの連続!
上流だがやっていることは内面の暗部を曝け出す汚さ!
映画だから笑えるが当時のイギリス国民には笑えないくらい気の毒、宮殿内の出来事こそ陛下にとっての見える世界そのもの、戦争もそっちのけ、陛下をお相手する侍女こそがある意味女王陛下という皮肉