みねとも

女王陛下のお気に入りのみねとものレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
4.4
やばい……ヨルゴス・ランティモス監督作を面白いと思ってしまった。
だって、こんな王道女子ドラマを撮るとは思わなかったから!
舞台は、イギリス王室、アン王女とお気に入りの女子二人の勝ち負け対決。
こんなエグイ話、そのヘンのオフィスに山ほど転がってます。
 
前作「聖なる鹿殺し」には、全くハマれなかったのに……
監督独特のイヤーなかんじが残っているのが、逆に物語全体のアクセントになっていてGood!
女子のサガ(私が一番よ)的な女子の本質を、風刺的に入れながらも、歴史背景や、女王の苦悩、悲しみなんかを巧みに織り交ぜて魅せてくる。
内容的には、そのヘンのオフィスと一緒のレベルなのに、なんか文学的、芸術的にせまってくるようなスゴイ脚本。
ランティモス監督じゃない人が書いているのが意外だった。

主演のオリビア・コールマン、レイチェル・ワイズ、エマ・ストーンの三人全員にアカデミー賞をあげたいくらい素晴らしい演技👏
映画の中では、女子が凛々しくかっこよくて、男性たちの化粧が濃くて、かっこ悪いのが面白いですね。

特に、エマちゃん。今まで見た中でもダントツにかわいいじゃないの!
怪物役がおーとか♡
トップレスも見ちゃった♡

ラストシーンのうさぎ。
意味が分からず、帰り道、一駅歩いて考えた。

●●●ここからラストシーンについて考えたことを書きます●●●
ネタバレの恐れあり。注意して♡

アビゲイルもウサギも一緒ってことかな。
お気に入り(寵愛をうける)というのは、結局、上の者が下の者を愛でること。
アビゲイルは上の者(女王)にはなれない。
女王の足をさすり続けなければ得られない地位なんだな。
屈辱的にさすり続けて地位を保ったとしても、自由はない。
籠の中のウサギと一緒。飼い殺し状態だよね。
とすれば、アビゲイルは勝負に勝ったと言えるのか……
そんな女王とはおさらばして、新天地に旅立ったレディサラのほうが
負けたように見えて、実は幸せなのかも。
これも、オフィスでの嫌な女に対抗する勝負にも言えること。
そんなのと争って、うさぎになるより、新天地に旅立ち自由を得た方が幸せなのかもしれない。
ほんとに、ラストまで王道女子ドラマだなぁ。
みねとも

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