もとまち

ザ・スクエア 思いやりの聖域のもとまちのレビュー・感想・評価

4.2
人間の不寛容と無関心を、とにかく底意地の悪いユーモアで抉り出す超絶ドS映画。笑うに笑えないブラック過ぎるエピソードの数々、絶妙に気まずい会話の間、微妙にクズな登場人物たちなど、観客を苛立たせるための演出がとことん計算しつくされている。この映画の作り手は、作中のキャラクターだけでなく観客に対しても冷笑的なのだ。「高尚でアーティスティックな映画でも期待してた?w」とでも言わんばかりの観客への煽りが透けて見える。そういう意味で、本作がパルム・ドールを受賞したのは限りなく正しい。なぜなら本作は、カンヌ最高賞の名に惹かれて見に来るような観客をまさしくコケにするような映画だからである。本当に、とことん、意地が悪い。アッパレとしか言いようがない。強烈な傑作。
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