EDDIE

ザ・スクエア 思いやりの聖域のEDDIEのレビュー・感想・評価

3.9
正方形という人工物に“全ての人が公平に”という人間の身勝手を詰め込んだ作品。
人間とは矛盾した生き物だと再認識させられ、その描き方があまりにも巧み。
モンキーマンのシーンは人間のずるさが全面に出ていたし絶対忘れないシーンの一つ。

Twitterの映画配信番組“めーぶれ”の宿題映画。
監督は『逆転のトライアングル』のリューベン・オストルンド。

さては監督かなりの意地悪な人だなと感じたし、普段人々の行動を薄笑いしながら観察してるんじゃないかなと感じさせる映画でした。
それぐらい人間の深層心理や無関心の描き方が巧い。
これは『逆転のトライアングル』の期待も高まります。

タイトルのスクエア=正方形ってはっきり言って自然には生み出されないものでほぼ間違いなく人工物なんですよね。
だからそこに人間の平等や正義を委ねるということ自体が不可思議なことであって、特に本作に登場する特権階級の人たちや偉そうに世の中平等であるべきとか語ってる人たちを本当にバカにしている映画です。

主人公のクリスティアンがアンという女性にいかに無関心かというのを表したシーンは凄かったですね。
なるほど、こんな演出をするのかと。

所々主要人物、カメラのフォーカスの当たってないところでもエキストラと思わしき人が何か面白い動きをしていたりと、細部まで作り込んだ演出をしているのも印象的。
まぁ151分は正直長いし、ラストの罰の悪い終わり方もなんだかなぁという気持ちではありますが、総じてとんでもない風刺映画だなということで評価高めにつけました。

冒頭にも書きましたが、モンキーマンのシーンは本当に凄かった。冷や汗かきました。

〈キャスト〉
クリスティアン(クレス・バング)
アン(エリザベス・モス)
ジュリアン(ドミニク・ウェスト)
オレグ(テリー・ノタリー)

※2023年自宅鑑賞26本目
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