shinichiro

ザ・スクエア 思いやりの聖域のshinichiroのレビュー・感想・評価

3.7
◎ 笑っていいのかわからない問題が蔓延り過ぎて整理がつかない。
何度も出てくる螺旋階段のようにぐるぐる渦巻く。
思いやりと信頼の聖域。人を信じるか信じないか。

アーティストと学芸員が対談中に罵詈雑言を発する病人?のシーンはやり過ぎでちょっと笑ってしまった。

とにかく綺麗に見えるところの背後にある歪みが無視できないくらいに付き纏ってくる。
クリスチャンがアンと前夜のことを話しているときに何かが崩れ去ってゆく音が聞こえてくるのが特にその最たる例でした。
李 禹煥の作品と似てるインスタレーションの綻びをわからないように隠すところも映画を象徴する場面でした。
I Have Nothing

クリスチャンが携帯を擦られた時の部下の提案、対応が僕が携帯を無くした時の友達の対応と一緒で笑えた。

道端の物乞いの人たちをクローズアップして取り上げていく。
美術館の企画の宣伝にも利用してしまう。

子どもたちの眼差しや差し障りのない不穏な明るい柔らかなアカペラ音楽も映画の肝

◉ Justice - D.A.N.C.E.
https://youtu.be/tCnBrrnOefs?si=JsXSsbUs0Rg4Fafl
脅迫状をマンションの各部屋に差し込みに行く道中でテスラの中でかけるアーティストの代表曲。子どもたちの真摯な声が響き渡る。
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